【ステップアップコラムvol.1~YACEPについて~】
今回の講座は全米ヨガアライアンスの資格更新に必要な単位を取得することが出来ます。
ご存じの方も多いと思いますが、全米ヨガアライアンスの規定では登録から3年以内に
①45時間のクラス指導
②30時間のトレーニング
この両方をクリアする必要があります。
①に関してはご自身で指導機会を設けることで単位を申請出来ますが、②に関しては今回のような全米ヨガアライアンスYACEP(継続教育)認定のコースを受講しなくてはなりません。
今回全6講座で18時間分の単位を取得することが出来ます。
更新に必要な残り12時間分の単位に関しては、今後も不定期で行われる講座に参加して頂くなどしながら、少しずつ単位を取得していってください。
僕の率直な意見として・・・
資格が全てではありませんが無いよりはあった方がいい、と思っています。
資格とは「自分に対する自信」と「生徒さんに対する責任感」を形に現したものです。
僕たちヨガ指導者がこの資格をきちんと取得・管理していくという行為は、ヨガ指導の自信にも繋がりますし、何よりも生徒さんに対する誠意にも繋がります。
今回お申込みされた皆さんには、その誠意が感じられ、同じヨガ仲間としてとても嬉しく思います。今から講座が楽しみです。
【ステップアップコラムvol.2~子供の発育曲線~】
ヒトの成長具合をグラフに表した「スキャモンの発育曲線」を見ると、神経系は生まれてから5歳頃までに80%は出来上がり、12歳頃までにはほぼ100%出来上がるそうです。つまり幼児期に様々な体験をすることによって神経系が発達し、さまざまな神経回路が形成されていくのだそうです。
しかもこの神経回路というものは、一度形成されるとなかなか消えないそうなのです。子供の頃に覚えた自転車の乗り方を大人になっても忘れないのはこのおかげですね。
なので幼児期にいろんな遊びや運動をすると良い!ということなのですが、その遊びと運動をちょうどよくMIXさせたものがキッズヨガです。
ヨガのポーズは本当に色々な動きがあるので、キッズヨガは遊びながら運動が出来るという素晴らしい幼児教育だと思いませんか?
8月に実施される第2回目の講座のテーマは『キッズヨガの理論と実践』です。
お楽しみに(^^)/
【ステップアップコラムvol.3~国際ヨガデーの本当のねらい(前編)~】
毎年6月21日は国連総会で定められた「国際ヨガデー」です。
これは2014年にインドのモディ首相が国連総会で提案し全会一致が可決され、2015年から始められたイベントです。
年に一度、ヨガを世界中に広めるためのイベントなのですが、ここにはインドの戦略が見え隠れしています。
もちろんヨガはインド発祥のもので、今も多くのインド人がヨガをしています。
しかし、ほんの20~30年ほど前までは、本場のインド人とはいえヨガをしている人はほとんどおらず、ヨガ=出家修行のお坊さんという認識で、ごく一部の限られた人たちが行うものだったようです。
しかし、近年アメリカやヨーロッパでヨガでフィットネスの分野としてブームとが起こり、それ以降世界中の人たちが気軽にヨガをするようになっていきました。
僕の先生が昔インドを訪問していた頃は、デリー市街にヨガスタジオの看板なんか一つも無かったと言っていました。そんな中、唯一見かけたのは「本場アメリカのヨガを教えます」という看板で、『いや、本場はインドだろ(笑)』と心の中でつっこんだと言っていました。
ほんの少し前まで、ヨガ発祥の地インドの一般市民は、意外にもヨガとの接点は少なかったのです。
つづく↓
【ステップアップコラムvol.4~国際ヨガデーの本当のねらい(後編)~】
昨日お話したように、ここ20~30年で、ヨガは世界中でブームとなりました。
そのブームの中心にいたのは、先進国であるアメリカやヨーロッパでした。
本場のインドは?というと、ヨガはもちろん伝統的に継承され続けてはいるものの
当時のインドで言う「ヨガ」とは、山奥で出家修行をする古典的なスタイルのもので
アメリカやヨーロッパで流行していたスタジオで行うフィットネスに近いヨガとは異なっていたのです。
インドには伝統的なヨガがありましたが、
その伝統があるがゆえに一般市民を巻き込んだブームには乗り遅れてしまったのです。
そんな中、2014年に首相となった現在のナレンドラ・モディ首相。
モディ首相は以前からヨガ愛好家として知られていて、
彼が首相に就任してから「今世界中でブームになっているヨガは、インドの財産だ!」と言わんばかりの動きをし始めます。
2014年 インドでヨガの省庁(AYUSH省)が出来る※日本で言うところの厚生労働省的な立ち位置
2014年 国連総会にて「国際ヨガデー」が制定される
2016年 ユネスコ無形文化遺産に「ヨガ」が登録される※なのでルール上はヨガはインドのものです
このような形でインドはモディ首相になってから、インドの伝統であるヨガを積極的に世界中にアピールしていったのです。
そして、その中に昨日の「国際ヨガデー」があったのです。
国際ヨガデーの本当のねらいは、世界中で起こったヨガのブームに乗り遅れてしまったインドが、ヨガを取り戻すための一手だった、、、のかもしれませんね。
【ステップアップコラムvol.5~過去を丁寧に振り返る~】
仕事・家事・育児・介護・・・毎日忙しい日々を過ごしていると、「忙しい」という現象に飲み込まれていしまい、自分が見えなくなってしまうことがあります。
自分が見えなくなってしまうと、この忙しい日々の中で「頑張っている自分」そのものに気がつきにくくなります。
しかもこの忙しい日々は、時間が進む感覚がとても早いので、あっという間に時が流れていきます。そのため、そのとき頑張っている自分という存在自体が記憶に残りにくいのです。
あなたはどうですか?
忙しい日々に飲み込まれていませんか?
・・・
ヨガの瞑想では、静かに座って「過去を丁寧に観る」というアプローチをすることがあります。そうすることで「私もこれまでよく頑張ってきたな!」と改めて気が付くキッカケとなります。このポジティブな気づきはとても大切です。
今の自分は、過去の自分の選択と行動の積み重ねによって出来ています。
そのため、過去の自分に合格点をあげることが出来ると、それはすなわち今の自分を肯定することに繋がるのです。
お時間があれば、過去を丁寧に振り返り、頑張っている自分を探す瞑想をしてみてください。
【ステップアップコラムvol.6~アーサナ~】
健康に良いとされているヨガですが、そのヨガが原因の有害事象がたくさん起きています。有害事象とはヨガ実習中に生じる好ましくない症状や反応のことです。
(一社)日本ホリスティックヘルスケア協会が調査した『ヨガ練習中のケガに関する調査2017』では67.4%の方がヨガでケガをした事があるというデータがあります。つまりヨガのやり方によっては半分以上の方がケガをしてしまう恐れがあるということです。
最近のヨガクラスはどんどんアクロバット化していて、足がどこまで開くとか、背骨をどこまで反れるかとか、そのためにはここを柔らかくしなきゃとか、ポーズの形をキレイにするための練習になっていて、どんどん目的がおかしな方向に向かっているような気がしてなりません。こんな練習では当然ケガをする人が出てきてもおかしくありません。
・・・
本来アーサナとは、瞑想のときの座り方を含めた様々な姿勢の事を指し、安定さや快適さを育んでいくものとされています。最終的には肉体という限りある次元を超えて、心や意識といった限りがない内側の次元へアプローチするための手段としてアーサナが存在しているのです。
アーサナ自体に完成形はありません。
なのでアーサナ実習とは、ゴールを目指して一生懸命行うものではなく、日々淡々と取り組んでいきながら、その過程の中で自分の体の内側の声を聞くことに意味があるのです。
【ステップアップコラムvol.7~キッチンでの悟り~】
二宮尊徳さんをご存知でしょうか?
そうです、歩きながら勉強をしている銅像で有名な二宮金次郎さんのことです。
彼はこんな言葉を残しています。
「腹くちく 喰うてつきひく女子(おなご)らは 仏にまさる悟りなりけり」
家事を行う女性は、昼食が済んだらすぐに夕食の準備に取りかかります。夕食を済ますと今度はすぐに明日の食事のことを考えます。
これはあなた自身や、あなたを育ててくれたお母さまにも当てはまるのではないでしょうか。
自分だけの食事であれば比較的簡単でしょうが、家族がいたり、小さな子供がいたりすれば、1日中キッチンに立っていると言ってもいいかもしれませんね。
こういった女性は仏と同じで悟りの境地に達している、という一句なのです。
ヨガは「悟り」を目指して行われますが、この悟りはキッチンでも成し遂げられる、ということですね。
置かれた場所で咲きなさいという言葉がありますが、人は今あるその環境において悟りを開くことができるのです。
専業主婦は専業主婦として、会社員は会社員として、それぞれの立場でやるべきことをやり続けることによって、ヨガマットの外から悟りに到達することができるのです。
ヨガの本質はカッコよくポーズをとっている瞬間ではなく、あなたの本務を遂行している日常にあるのですね。
【ステップアップコラムvol.8~縦と横でヨガを学ぶ~】
今回のYACEPステップアップ講座は3年ぶりの開催となります。
ちなみに3年前は「深みのあるヨガ指導者へ」というテーマで、ヨガの本質的な部分を深堀りするような内容で実施しました。
それに対し、今回の講座では「ヨガ指導者としての幅を広げる」ことをテーマにしています。
ヨガを学び伝えていくためには、縦軸と横軸のアプローチが必要です。
縦軸とは、ヨガそのものに対する本質的理解度を深めていくこと。
横軸とは、多様化する社会やライフスタイルの中で、ヨガというコンテンツを柔軟に理解し伝えていくこと。
この両方のアプローチをしていかないと、ヨガ指導者として有意義な活動をすることはなかなか難しい・・・と僕は経験上思っています。ここで言うところの横軸のアプローチをしていくのが今回のステップアップ講座です。
ヨガは元々出家修行をする人のためのものだったので、本質を追求しようと学べば学ぶほどそこで得られる知識は出家修行者向けのヨガスタイルになります。このような縦軸のアプローチからは、狭く深い知識が得られます。前回のステップアップ講座はこの縦軸が狙いでした。
一方で世の中を見渡してみると、現代では様々なジャンルの人たちがヨガをしています。
今回のテーマになっているスポーツ選手、キッズ、様々なライフステージの女性、シニアなんかもヨガを楽しむ時代ですね。
このような様々な対象者に向けて、安全に・楽しく・効果的なヨガを指導するために、広く柔軟な知識を得ることが横軸のアプローチであり、ここが今回のステップアップ講座の狙いなのです。
【ステップアップコラムvol.9~需要と供給(前編)~】
ヨガは4千~5千年という伝統があると言われています。このとてつもなく長い期間、師から弟子へと脈々と受け継がれてきたのですから、本当にすごいことだと思います。
僕がヨガに信念を抱き、何ひとつ疑いなく取り組むことが出来ているのは、この壮大な歴史が証拠となって存在しているからなのだと思います。
しかし、なぜこんなにも長い間、ヨガは受け継がれてきたのでしょうか。
ビジネスの世界に置き換えて考えてみましょう。
どこかのだれかが「何か」を求めていたとします。
この「何か」を供給することでビジネスが成り立ちますよね。
逆にこの「何か」という需要がなくなったらそのビジネスは成立しないし、需要に対してまったく違うものを提供したとしてもそのビジネスは成立しません。
やはり需要と供給があってはじめて成り立つことなのです。
ヨガが4・5千年続いているということは、その長い長い歴史の中でも、需要と供給があったのです。
つまりこのとてつもなく長い期間、人間はずっと「何か」を求め続けていて、ヨガがそれに対する答えを提供し続けているのだと解釈することが出来ます。
ではこの4・5千年もの間、人間はずっと何を求め続けているのか?
つづく↓
【ステップアップコラムvol.10~需要と供給(後編)】
ヨガが4・5千年続いているということは、その長い長い歴史の中でも、需要と供給があったのです。
このとてつもなく長い間、人間はずっと「何か」を求め続けていて、ヨガがそれに対する答えを提供し続けてきたのです。
ではこの4・5千年もの間、人間はずっと何を求め続けてきたのか?
それはやはり幸せになることです。
人間はどの時代でも、どの場所でも、どんな状況でも
幸せになるために考え、幸せになるために行動しています。
食べることも、働くことも、休むことも、最終的には幸せになることを目指して選択し、行動しているのです。
では、幸せとはいったい何なのでしょう?
・・・
人間は求めていたものが得られたとき「幸せ」と感じます。
ですがそれを失ったとき「不幸」と感じます。
これをいつもいつも繰り返しています。
欲しくて欲しくてたまらなかったモノが手に入ったときは強く幸せを感じ、
またそれを失ってしまうと強く不幸を感じます。
このように幸せを求めてその対象に依存すればするほど、不安、焦り、後悔、更なる執着心といったような「不幸の素」になる陰性感情を芽生えさせます。
果たしてこれが、人間の求めていた幸せなのでしょうか?
もれなくオマケで不幸が付いてくるような幸せを、本当の幸せと呼んでいいのでしょか?
・・・
ヨガが人類に提供し続けてきたのものは、このような変化する偽の幸せではなく
「変化しない本物の幸せ」だったのでしょう。
本物の幸せは、目には見えず、手にも取れません。
形状がなく、物質ではない。だから変化しないのです。
変化しないから、4・5千年もの間、受け継がれてきたのです。
僕のお師匠さんは、この変化しない本物の幸せのことを『至福』と表現していました。
ヨガが今日まで受け継がれたきている理由は、
僕たち人間が追い求めている至福という境地を
ヨガがずっと提供し続けているからなのです。
【ステップアップコラムvol.11~インプットとアウトプットのベストな割合~】
スポーツ選手は試合が無いオフシーズンに、キャンプや自主トレに励みます。
次のシーズンで良いパフォーマンスを発揮出来るようにと下ごしらえをしているのです。
この下ごしらえの期間はヨガを学ぶ僕たちにとっても重要だと思いませんか?
もちろんプロ選手のキャンプや自主トレほど大それたものでなくて良いと思いますが、
出来ればヨガ指導者も1シーズンに1回はインプットに専念する時間を設ける事をおすすめします。
今回のステップアップ講座にお申込みされた方の中にはヨガ指導者として活動されている方も多いと思います。
実際の現場でヨガを伝えている指導者であれば「クラスを担当する」というアウトプットを通して、日々いろんなことを学び・吸収されていると思います。このようなアウトプットの時間ももちろん大事です。
しかしアウトプットの時間は、自分の知識の少なさや技術の足りなさと真正面から向き合う時間でもあります。
僕も未だにそうです。講座やクラスを担当すればするほど、たくさんのことを吸収出来ている実感がありますが、
その反面、もっともっと学びを深めなきゃいけないな・・・と感じてばかりです。
なので、結局はインプットとアウトプットのバランスが大事というお話なのですが、僕個人的なバランス感覚で言うと
日常的アウトプット/非日常的インプット
↑これがベストな塩梅だなと感じています。
日々クラスを担当しながら、リアルな現場を通してアウトプットを続けていく。
そして年に1,2回、スポーツ選手のキャンプや自主トレのように、インプットに専念する時間を作る。
そのインプットに専念するやり方はいろいろあって良いと思います。
1週間休みをとってインドに行っても良いでしょうし、
新たにヨガの資格を取りにいっても良いでしょう。
そして今回のように、月1/全6回で新たな学びを得るというのも良いと思いますよ。
今回のステップアップ講座は、あなた自身のインプットに専念する時間として、活用してくださいね。
【ステップアップコラムvol.12~全てがヨガの学び~】
「今起きている全てがヨガの学びだ」
そう感じるのは僕だけじゃないと思いますが、あなたはどうですか?
良い出来事が起これば、感謝を育むための学びの場となるし、逆に悪い出来事が起これば、その困難とどう向き合えば良いのかを学ぶ場となります。
やはりその一瞬一瞬がヨガの学びですよね。
そのことに気がつき始めると、ヨガは個の修行でありながら、全体との調和であることだと悟り始めます。
ヨガは自分の内側へアクセスしていく修行ですが、それは同時に、自分の外側で起こるコントロール出来ないものに対してうまく調和をはかることにも繋がっているのです。
梵我一如(ぼんがいちにょ)と言われるように、この世の本質は「一つ」で、本当は自分の内側も外側もありません。
目を閉じて自分の内側を観ているときもヨガの学びだし、目を開けて自分の外側にある日常を過ごしているときもヨガの学びなのです。
とあるヨガ聖者は「強い瞑想と強い行動は同じだ」と言っていました。
意識が内に向いていても外に向いていても、良い事が起きても悪いことが起きても、全てはヨガの学びの場となるのです。